マグニチュード99

最期の時まで美学を求めると決めた

和風総本家「家族が見学!過酷な現場で働くお父さん」

私は子供の頃、亡父の職場によく遊びに行ったものだ。

そこは緊張感が漂いながらも、子どもにとっては見る機会が少ない珍しい物が沢山目に飛び込んで来る、子ども出入り禁止の遊園地であった。

そしてそこの風景はしっかりと子供の私の記憶に残り、しかし時が流れて今はすっかり近代的になり、同時に益々余所余所しくなったそこは、その前を通ったり、訪れる時があっても、私にとって未だに私の遊園地のままだ。

子供の時に、親が働く姿を憶えるのは好い事だ。

自身がやがて大人になった時に振り返れば、子供の時に覚えた万能の親の姿は消え、家族と共に生きる一人の人生の在り様が見えて来る。

私は老齢期にある今、子供の時以上に亡父亡母を愛し、感謝している。