マグニチュード99

最期の時まで美学を求めると決めた

「芸」真面にゼニを取れなけりゃ、それは芸とは言えない

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旅人よ 加山雄三団塊世代の青春歌Photo to Movie  

 

上のザ・ランチャーズと加山雄三の顔を見るが好い。

カワイイを絶対価値に置く今の若者たちとは違って、口元を引き締めた顔の中に、いくばくかの男の緊張感がそこに漂っているのが見て取れるだろう。

巷では、子供の為に作られた様な稚拙な歌詞と曲で、広告代理店と自治体に背中を押されながら芸術だのアートだのとおだてられ、歌手を職業とするくせに踊る事には夢中になるが、歌えず、楽器の一つさえ弾けず、作詞も作曲も出来ず、下手くそどころかガラクタ同然の、聴くに耐えられないド素人の音が溢れかえっている。

そこには死ぬまで探し続け磨かれるべき自らの美学、年齢を経るに伴う虚飾と虚偽を捨て去る美学、真実と核心を求め続ける美学、その欠片ひとつさえ見られない。

それに替わる言葉のカワイイを合言葉にするお子様ランチ現象は、今、音楽界に限らずに映画界、果ては芸術文化全体を占めるに至った。

もはや、この日本全体から喜んでヒト様からゼニを頂ける、稼げる力量をもった大人の人間が消え去ったのか。

彼ら自称アーティストたちに共通するのは、自ら問題点を見つけてそれを解決する能力を失ったこと、そして読書量と対話能力の絶対的な不足、目前で消費され続ける事象と情報に隠された本質を探ろうとはしない所だろう。

人として生き抜く力を支配構造によって抜却され、群れ漂う彼ら若者たちの無力さが悲しく虚しく見えてならないが、彼らをそうさせた原因は、偏にその社会構造に迎合許容し続けた彼らの親世代、更に日本人全体の中にも潜んでいるのだ。

そして、そこに日本人を貶めた張本人たちは、今頃、海の向こうで、シャンパンでも飲みながらほくそ笑んでいるに違いない。