アイヌ神話、光や音で 阿寒湖畔、体験型観光 7月から夜の遊歩道舞台に
北海道新聞05/21 05:00
「夜の森を光や映像で演出し、アイヌ民族に伝わる神話を描く。」
「静かな大地」 松浦武四郎とアイヌ民族 (岩波現代文庫 社会)
著者 花崎 皋平
「武四郎はまた、歩く人だった。歩きながら考え、歩きながら観察し、歩きながら記録した人だった。したがって、彼の眼の高さは、その地で暮らす人びととおなじ高さにあった。」
アイヌ民族 Bing images
iRONNA『産経新聞』
所詮は、光と音で末梢神経から快楽を得て楽しむのが、この体験観光だ。
それ故、その光や映像だけでアイヌ神話を知る事が出来るのかどうかは極めて怪しく(笑)、アイヌ民族の方々の歴史と現状を知ろうとするのであれば、とてもではないが、それでは叶う事は無い。
日本の知と美の最大集積地は、日本語で書かれた書籍本と、日本人自身である。
そして、松浦武四郎は文字を持たないアイヌ民族に代わって、アイヌ民族の迫害の歴史と惨状と、彼等の民族文化を自身の体験を文字にして記録し、それをこうして我々後世の者に、深い反省と教訓の記録として残したのだ。
また更には、彼の記録にある当時のアイヌ民族と、現代日本民族とが共に植民地支配を受ける共通性を通して、私には今の日本人が重なってさえ見えて来るのである。
それは「身から出た錆」、「因果応報」とでも言えようか、上記の「アイヌを愛した探検家、松浦武四郎」に記された様に、幕府による植民地経営の詐欺商取引と収奪、疫病拡散と性病蔓延による人口減少、民族文化による観光産業へと労働・産業構造の強制転換、民族意識の尊厳破戒などといった現代日本の状況からして、何から何まで今の日本人の在り様と全く同質ではないか。
松浦武四郎は真に、歩きながら考え、歩きながら観察し、歩きながら記録した人、歩きながら生きた人だった。
そして土光 敏夫が遺した言葉は、これだ。
「問題を見つけ問題をつくりだせ。問題がなくなったとき組織は死滅する。」