北海道新聞06/19 07:49 更新
個人情報漏洩事件・被害事例一覧
サイバーセキュリティ.jcom
個人情報の写しではなく、原本そのものを持ち出したこの62歳の保健師は、個人情報保護の重要性を全く理解認識していなかった、いや理解する能力を既に欠いていたのだから、これが老害である可能性を含めて（笑）、北海道人らしく何処か随分とのんびりした間抜けな話だ。
しかし、こうした無知で意識が低い人物こそ、日常的に一般社会で個人情報の取り扱いに深く関わっているのが現状だ。
そこに、日本に於いては個人情報保護が充分に行われない、性善説に立った社会生活を営むには明らかに無理がある、恐ろしい現実が横たわっているのだ。
だからインターネット社会に対しては、利用者は毅然として性悪説に立って対処して行かなければ、そこで次第に極めて危険な社会を形成し、99％層の奴隷化と家畜化、人間牧場の社会完成へと帰結する。
例えば、地域の高齢者が多く利用する、ある消費者生活協同組合が、ある日スマートフォンの販売促進に力を入れ始めたのだが、しかしそこで組合員や利用者となっている高齢者ほど、インターネットにまつわる知識も経験も乏しいのが明らかなのだから、販売する側でスマホ・インターネット技術が抱える個人情報保護の問題を、危機の安全操作技術や漏えいの事例などを予め消費者に充分学習する機会を与えたうえで、その購入と利用を決断する時間を提供するのが、消費者生活協同組合として当然の社会的義務のはずだ。
しかし、現実はそうではなかった。
何も知らない99％層、取り分けインターネット取扱いに関する危険性が増す多くの高齢者に向けて、商品販売促進のための甘い言葉だけが、店内のポスターやパンフレットに踊っていたのだ。
それが、この国に生き暮す日本人の素顔だ。
