WIRED 2018.10.23 TUE 18:00
「次世代」というレッテル、おじさんと若者の分断
：「WIRED NEXT GENERATION 2018」開催に寄せて
「おじさん」や「ミレニアルズ」という世代論を乗り越え、25年前に繋がった（WIREDされた）世界のなかで軽やかにイノヴェイションを起こしていくネクストジェネレーションたち。11月14日（水）に開催される「WIRED NEXT GENERATION 2018」に向けて、『WIRED』日本版編集長からのエディターズレター。
TEXT BY MICHIAKI MATSUSHIMA
上記の序文を何処かでよく耳にした言い回しだと思ったら、なんと、カタカナ語や英語を振り回して中身がスッカラカンだったあのSEALDs系のアジ演説にソックリだ。
問題を認識し、考えを交換する場にするのなら、その問題が何所にどの様な姿であるのか、具体的に例示するなどしてたたき台を作らなければ、ユルユルの言葉だけが飛び交い、現実の在り様に立脚しない観念的な論のやり取りに終始し、全国で見飽きたイベント催事、だのお祭り騒ぎに終わるのが目に見えていて、結局はここで言う世代論にもイノヴェイションにも真面には繋がらないだろう。
こうした行いの行く先は、真面な母国語の日本語さえ使わずにNEXT GENERATION という虚飾に塗れた言葉で自己陶酔し、また同時に中高年層がこの催事に大きな違和感や疑惑を抱いて敬遠する方向に導き、結局は若者たちが自らを優越感で特別視してお祭り騒ぎの舞台に押し上げて騒ぐだけで、世代の分断をなお是認推進する事で終わる。
世代論を取り上げて現実社会に潜む深刻な問題点を探る前に、既にこの「WIRED NEXT GENERATION 2018」開催自体にこそ致命的な問題が潜んでいると、私には思えた。
